バイオ(生物系・農学系・水産系)専攻者の就職難易度
2016/05/31
前回の続きです。
バイオ(生物系・農学系・水産系)を学んでいる間には、
気付かなかった(気にしなかった)ですが、
就職活動をして、
初めて気付くことがあります。
その1つが、
業界・職種の難易度です。
大学や大学院への入学難易度も、
学部によって変わるように、
就職難易度も自分の卒業学部系統によって、
変わってきます。
次に示すものがそのランク付けになります。
生物系・農学系・水産系の業界・職種ランキング
★神:アカデミックポスト、農水・環境省国Ⅰ技官、大手製薬の研究職・臨床開発職、大手食品の研究職
★超激難:中堅製薬の研究職・臨床開発職、大手食品の開発職、中堅食品の研究職、地方公務員技官
★激難:その他企業の研究職、その他企業の開発職、農水・環境省国Ⅱ技官
★難:企業学術、生産管理・品質管理、その他公務員(市役所)、上流SE
★やや難:事務職・営業職(優良メーカー、普通に激務)、MR
――――――――――――――――――結婚できるだけの安定の壁―――――――――――――――――
★普通:事務職・営業職(中小メーカーや商社、超激務&薄給)、工場ライン工(三交代制の製造、激務)、アウトソーシング研究職(長く薄給)、万年ポスドク(学歴が泣く)
――――――――――――――――――――ハロワ常連の壁――――――――――――――――――――
★易:営業職・その他(上記以外のブラック、住宅とか先物の飛び込み系、超々激務&薄給)、小売、下位SE(プログラマー)、外食産業、パチンコ、派遣
★死:フリーター・ニート(未来無し)
I’veはこのランク付けを知って、
理解したことがあります。
生物系・農学系・水産系専攻者は、
いろんな方面へ行こうとすれば、
行けます。
しかし、
製薬業界ならば薬学専攻に劣ってしまい、
化粧品・日用品・生活用品業界ならば、
化学専攻に劣ってしまいます。
そのため、
必然的に食品業界に人気が集まり、
競争率を上げて苦しみます。
食品業界の中でも、
研究職や開発職は特に人気なので難しいですが、
製造職や品質管理職に関しては、
競争率の高い研究職や開発職よりも、
入りやすいです。
しかし、
工学部の機械科や電気科とも競うことになり、
機械の専門知識に関しては劣るため、
これも一筋縄ではいきません。
製造職や品質管理職は、
大学卒や高等専門学校(高専)卒でもできる仕事のため、
大学院卒ならプライドも邪魔することでしょう。
何はともあれ、
生物系・農学系・水産系専攻者は難しいということです。
また、
生物系・農学系・水産系専攻者には、
食品に興味がある人が多いため、
食品繋がりで外食産業に就職する人がいます。
しかし、
この業界は超々激務&薄給のため、
その業務内容をあまり知らない人や、
就職に失敗した人しか、
入社しようとしませんし、
I’veもお薦めしません。
I’veの友達も農学を学部で出て、
外食産業に就職した友達がいました。
牛丼に無料でお味噌汁が付いてくる、
某牛丼屋さんですwww
2年目ですでに店長を任されて、
毎日5:00出勤24:00上がりという超々激務を続けていました。
その地域を管理しているエリア長からの
「人件費削除して利益向上しろ!!」
というプレッシャーがキツいらしく、
バイトを入れると、
人件費が掛かってしまうため、
バイトの代わりをすべて自分がやっていたそうです。
でも結局、
20代なのに体が持たず、
3年余りで辞めてしまいました。
その友達は、
大学の研究室と仕事の業務が近いことを言ってました。
生物系・農学系専攻者と外食産業の類似点
白衣 ≒エプロン
メス≒包丁
教授≒エリアマネージャー(部長)
Protocol(プロトコール)≒レシピ
3年生、4年生≒バイト
研究報告≒日報
実験方針の討論≒売上目標の討論
朝から晩まで実験≒朝から晩まで仕事
生物系・農学系・水産系専攻者と外食産業には、
意外にも類似点がたくさんあって、
それもあってこの業界に入ってくる人も多い、
とのことです。
ただし、I’veの大学院の同期にも、
大学院修士にも関わらず、
外食産業に就職活動している人がいました。
「苦労して大学院まで出たのに、
そんな超々激務な外食産業に就職はもったいない…。」
と思っていました。
でもこれも、
生物系・農学系・水産系専攻者にとって、
社会で活躍できる場があまり無いため、
仕方が無いことなのかもしれません。
また、アカデミックポストが過大評価されているのは、
生命系に多いです。
他の分野にもアカデミックポストは存在するはずなのに、
ずっと不思議だなーと思っていました。
しかし、就職活動をすると、
その理由も分かりました。
それは生命系が、
特にアカデミックと実社会の温度差が大きいからです。
つまり、
実社会で学んだことを生かせる就職先が少ない、
それでたくさん大学院や博士課程へ進学する。
けれども、
実社会(民間企業)への就職が無い。
そのため、みんなアカデミックに残る。
それで自然とアカデミックポスト争いが熾烈に…、
という結果です。
そのため日本では、
生物系・農学系・水産系専攻者のポスドクが、
余っていると納得しました。
I’veの大学院の研究室にもそういう人達がいて、
哀愁が漂っていました。
I’veが実際に聞いた言動ですwww
「たった一度の人生で、若いうちだけだし…。」
(⇒どれだけその若い貴重な時間を犠牲にすれば済むのでしょうか?)
「修士の間に実験で結果が出て、研究の面白さに病みつきになった。」
(⇒二度と結果が出ないフラグが立ったりして。)
「教授に気に入られていて、博士進学を強く勧められた。」
(⇒「教授に騙されたんだ!!」と後で言わないでほしい。)
「企業へ入っても、修士はすぐに営業とか関係無い部署にも回されるよ。」
(⇒大学の元クラスメートが会社のお金で博士課程へ進学して、悔しい思いなんてことも。)
「借りた奨学金、どうやって返せばいいんだろう。」
(⇒知らんがな。)
生物系・農学系・水産系は医歯薬と違って、
資格という資格も無いため、
何も考えないで大学院へ進学することは、
結構危険です。
さらに専門性が高まる博士へ進学することは、
もっと危険なのだと実感しました。
それは散々述べているように、
社会のニーズが無いからですね。
理系分野における社会のニーズ
医学、薬学、獣医、看護
====================免許の壁====================
機械、電気電子
物理工学、化学工学
土木、建築、化学、生命工学
====================NEETの壁====================
数学、地質、純粋物理、生命
農学、林学、水産学
また長くなったので、
いったんここまでとします。
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